2023年11月9日木曜日

 たったいま

谷川俊太郎 作詩

松下耕 作曲

 

たったいまという詩についてちょっと今一度考えてみよう。

 

たったいま死ぬかもしれない。そう思うと、争いごとなど意味のないこと。

心に素直にそのまま触れてきて共感しかない言葉。

だけどふと、

 この歌ってどんな歌だったっけ?それだけだっけ?

 生きることは大切さー、争いなんかやめようーラララ~って歌だったっけ?

 そういえば、ふらふらしたりしてたっけ。それからなんだったっけ?

という謎がはっきりしてきた。

 

全部易しい日本語だけのこの詩、当然わからない言葉は何もなく、

何も言葉に疑問なく歌って見過ごしていました。

第1連の言ってる事は、とても大切な根幹の部分で共感してたかもしれないけど

今一度、詩をよーく読んでみると、各連が言っていることが全然つながってなかった。

疑問だらけだし、実は実感してなかった。

だって、あらそいもいさかいもしたくなるそれらがあふれた毎日?だから(笑)

実ははずかしながら、ちゃんとわかっていなかったことを思い知らされました。

そこで個人の感想をまとめてみよう。

 

だいたいをまとめると、

第1連 たったいま死んでしまうかもしれない、と想像すれば争いなんてする気にならない

第2連 心やすらかなら死ぬことに恐れはなくなる

第3連 心はいつも迷っている

第4連 迷ってる心には一つの清い考えがあるはず

わかるようでわからない、各連がどうつながってるか実はわかってなかった。

だいたい、心やすらかなら死ぬのは怖くない、って言っているのに、次では心ふらふらばかり。

こんなにふらふらして、震えてこわがって、さまよって、気持ちが浮き沈みしてたんだ。

そして、ひとすじの、清らかな、流れって何?

 

谷川俊太郎が何を経験して何を思ったかは不明だけど、

これを読んだ者として自分の実感としてイメージしてみたとき、

たったいま死ぬかもしれないと思ったら、争いなど、なんて意味のないことだろう、

そう思うけど、共感するけど、私そのものはそういう考えにいないことに気づいてしまった。

むしろ、こころはいつもふらふらして、震えていて、さまよっていて、晴れたり曇ったりして、

こっちの方がいつもの私そのものじゃないか!

実は、自分の視点の出発点は、現実の私そのものである第3連からだったのかもしれない。

 

ふらふら、震え、さまよって、晴れたり曇ったりしてるときって、確実に心やすらかではない。

そんな時に願っているのは、当然、そこから抜けたい、そうありたくない、こんな現実嫌だ。

そういう、安らかさを求める一つの純粋な願いが、現実のこころの深みにある清らかな流れなんだろうな。

 

では、こころをふらふらさせるもの、震えさせるもの、さまよわせるもの、晴れたり曇ったりさせるもの、それっていったい何?と考えた時、

あらそいやいさかいにそう思わされることが、人生ではたくさんあるんじゃないかな。

でも、たったいま死ぬかもしれない、と思ったとき、

自分の人生で大事だったものって何だった?という事を強烈に考えさせられる。

そうしたとき、あらそいやいさかいとなるものは全然大事にしなければならないものじゃなかったことに気付く。

そうして初めてあらそいもいさかいもしたくなくなくなり、

苦しめていたものはなんと意味のないものだったんだろう!と「実感」できる。

 

一人の読者のイメージとして、

 こころをなんどもなんども苦しめているものはたったいま生きるのに必要じゃないもの

 もうこころに流れている清らかな願いのままに安らかになってもいいんだよ

ということを優しく教えていることを感じ取りました。(あるいは、そう思えればいいのにな。。。という祈りのような。)

そうしてみた時、この曲のcresc.、クライマックスのff、rall. poco a poco、第1連を繰り返している意味、最後のそう思えればのpppなどに、そういったイメージがマッチして、より深く共感できた(気がします)。

2023年11月9日木曜日

 第7回定期演奏会を無事に終えてホッとしたのもつかの間、次へと再出発。次は来年1月のヴォーカルアンサンブルコンテストinひろしまに出演しようという事に決まりました。役割分担も新しく決めることになり何かと忙しくなりそうと不安いっぱいでしたが、「私はこれできます!」と積極的に立候補してくださり、次々に決まっていきました。メンバーのベガ愛に感謝。

 練習は定期演奏会で歌った曲をいくつかと、新曲を練習。Eatnemen Vuelieに挑戦!定期演奏会のアンケートでベガに歌ってほしい曲に、ポップスやポピュラーソング系などがたくさん上がっていて、ベガではこれまで触れたことないジャンルに動揺。しかしここにきてベガサウンドにも向いていそうな、アナと雪の女王オープニングにもなったノルウェーのこの曲の紹介を受け、歌ってみました。実際歌ってみてベガのレパートリーとしてはまったようです。

2023年10月29日日曜日

 第7回定期演奏会が無事に終了しました。目玉は、というとどれも目玉級でベガ色の4ステージ4つの目玉!その中でも広島では初演となる丸尾喜久子先生の2つの作品、「立石寺にて」と「Kyrie」が一番の目玉。立石寺にては自然の音から始まる曲で歌ってる方は常に必死だったのですが、聞いていただいた方にたくさんのお褒めのお言葉をいただき嬉しい驚きでした。そして自分たちで録音を聞いてみると「え?この鳥の鳴き声本物?誰がやってるの?」と自分たちで驚いてしまい、2度目の驚き。どのステージも、「だからベガって楽しいよね。ベガの響き好き。」と自分たちで思えるステージだったのではと思います。それが聞いてくださるお客様と共有できたことが団員一同嬉しかったです。ここまでの音楽を作ってくださった寺沢先生と昆野先生は今回の演奏会で引退。とても寂しいけど大変お世話になりました!このサウンドをさらに続けて、拡げていきたくなる演奏会でした。

 演奏会には、作曲家である丸尾喜久子先生が広島まで来てくださりました。ベガの演奏会を楽しみにしてくださり、実際に演奏会では楽しんでくださり、打ち上げにも参加してくださいました。さらに一晩広島にお泊りになって翌日は団員有志と広島観光。丸尾先生のお優しいお人柄と素晴らしい感性に団員全員目が❤でニコニコでした。広島を存分に楽しんでいただけたようで団員一同嬉しく思っています。

(写真は打ち上げの写真とともに、軽井沢での演奏の写真をアップしています。)